痛風の診断治療に迷った時に読むCase Report 10選

 

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中山 俊(なかやま しゅん)
    ■■アンター株式会社 代表取締役/翠明会山王病院 整形外科医師
    ■■略歴:鹿児島県出身。鹿児島大学医学部を卒業後、東京医療センターで初期研修。2015年より翠明会山王病院整形外科現職。
    ■■2016年アンター株式会社を創業し、医療現場の医師が相互に助け合う、実名制の医師同士の相談サービス「Antaa QA」を運営している。
    ■■Antaa FBページAntaa Members(FBグループ)Antaa HP

 

Case reportはCore Clinical Journalsの中から選択しています。
現場により良い知識が届くように、改善しつづけていきたいと考えています。最新論文や追加修正が必要な内容があればぜひ問い合わせフォームよりご一報ください。

①巨大痛風結節による第1MTP関節切断

慢性腎不全患者で、7年前に痛風の診断を受けるも、定期的な痛風治療を受けなかった。

痛風結節の巨大化により関節破壊をきたし、最終的に第1MTP関節切断となった。

中国のCase reportだが、日本ではここまで進行したcaseを診ることはないだろう。

画像はFigure2より引用

Medicine (Baltimore). 2017 Oct;96(43):e8441 [PDF]

②脊椎内痛風による脊柱管狭窄症により腰椎手術

68歳男性で腰痛と3か月前からの両下肢痛。CTにて腰椎広範囲に結節成分を認めた。

腰椎の手術を実施した際に、椎体・椎間関節に白色の塊があり、組織診にて脊椎内痛風として診断がついた。

脊椎に痛風結節が出来るなんて。この画像を最初に見たときに、痛風を鑑別に挙げれたら素敵ですね。

画像はFigure3より引用

Medicine (Baltimore). 2017 Aug;96(32):e7670 [PDF]

 

③肘の痛風性滑液包炎

66歳女性の10日間の右肘痛。肘頭に腫脹があり、乳白色の穿刺液を認めた。穿刺液中に、尿酸結晶を多数認めた。

一般的には、滑液包炎だと思って黄色透明な液体が吸引されることを想定してますよね。

画像はFigureより引用

Ann Emerg Med. 2017 Aug;70(2):142-160 [PDF]

 

④右臀部の痛風性脂肪織炎

67歳の男性。右臀部に膿瘍を疑うような結節と紅斑を認めた。感染を疑い切開したところ、石灰化病変を認め、組織検査で痛風性脂肪織炎となった。.

長期間の高尿酸血症では、非特異的な皮下紅斑を伴う痛風が出来るそうですが、日常診療では感染を疑いますよね。

画像はFigure1より引用

Medicine (Baltimore). 2017 Apr;96(16):e6733 [PDF]

 

⑤屈筋腱の痛風結節により繰り返す手根管症候群

44歳の男性看護師の5年間繰り返す手根管症候群。内服にて改善せず、手術にて切除。

術後の組織診にて痛風と判明した。

早く手術で切除したら改善していたのでしょうか。このCaseは、再発の有無なども長期的なフォローが知りたいですね。

画像はFigure4より引用

Medicine (Baltimore). 2017 Mar;96(9):e6245. [PDF]

 

⑥腎移植患者の脊椎の痛風性関節炎

51歳の白人男性。腎移植し2か月後に発熱。両側肩に放散する頸部背部痛、足関節痛。

Dual Energy CTにて肋骨関節に高信号を認め、疼痛部位が判明。足関節液から尿酸確認。コルヒチン治療にて疼痛は改善した。

Dual energy CTで尿酸もわかるそうです。Dual energy CTを見たことがないのですが、非特異的な部位の診断に有用ですね。

画像はFigure1より引用

Medicine (Baltimore). 2015 Apr;94(13):e676 [PDF]

 

⑦爪周囲の痛風結節

77歳男性。2日前からの爪周囲の無痛性の結節あり。その後

手関節に疼痛あり、関節液から尿酸結晶を認め痛風の診断。その後両肘にも結節は出現した。

痛風結節って、いろんなところにできますね。爪周囲は患者さん自身も気づかなさそう。

N Engl J Med. 2015 Jan 29;372(5):e6 [リンク]

 

⑧手:右第5PIP関節の結節性痛風

89歳男性、慢性腎不全と糖尿病の既往あり。右第5PIP関節の結節性痛風。

レントゲンでは、骨吸収により関節破壊が起きている。

手に出来ていると、外来では腫瘍と非常に迷うのではないでしょうか。

画像はFigure1より引用

Am Fam Physician. 2014 Mar 1;89(5):381-382. [リンク]

 

⑨急性腰痛で受診した脊椎痛風

アルコール多飲歴と慢性腰痛既往ある69歳女性。腰痛と手掌に結節あり。UAは6.5。L3/4スペースへ穿刺し、白色の吸引液を認めた。組織診で診断。

穿刺して白色の液体が吸引されたとき、担当医は非常に驚いたでしょうね。そもそもこの不明な状態で穿刺する覚悟も必要ですよね。

画像はFigure1より引用

Arthritis Rheum. 2013 Oct;65(10):2660. [PDF]

 

⑩急性発症の腰痛下肢筋力低下の脊椎痛風

30歳男性。突然発症の背部痛が4日続き、進行性の下肢筋力低下を認めた。

既往に慢性腎不全あり。MRIにてT10-11の硬膜外にマスを認めている。

急性発症の主訴で受診し、MRIを撮ってこの画像を目にすると頭を抱えそうですね。

画像はFigure2より引用

Br J Radiol. 2013 May;86(1025):20110685 [PDF]

 

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    ■■アンター株式会社 代表取締役/翠明会山王病院 整形外科医師
    ■■略歴:鹿児島県出身。鹿児島大学医学部を卒業後、東京医療センターで初期研修。2015年より翠明会山王病院整形外科現職。
    ■■2016年アンター株式会社を創業し、医療現場の医師が相互に助け合う、実名制の医師同士の相談サービス「Antaa QA」を運営している。
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