2018/09/22

頭頚部帯状疱疹〜診断, 合併症, 治療, 感染管理, 予防, ワクチン〜

 

この記事を書いている人 - WRITER -
堤 健(つつみ けん)
    聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院救命救急センター 医員
    POCUS(Point of care ultrasound)コース インストラクター。千葉県の国保旭中央病院で初期研修の後、総合内科トレーニングを経て、現在救急集中治療に従事。
    ■寄稿:Intensivist ICUにおける神経内科、「集中治療ここだけの話」(医学書院より2018年7月発売予定)、「レジデントノート2018年8月号特集POCUS」(発売予定) など

救急外来でもよく経験する帯状疱疹。
皮疹の場所が頭頚部にある場合、どんなことに気をつければよいのでしょうか。

この記事は、現場で働く医師同士が相談しあうiOSアプリ “AntaaQA” で実際に行われたやりとりの中から全てのプライマリケア医におすすめの選りすぐりの内容を、ご紹介します!

帯状疱疹. 頭頚部に見つけたら

対応について教えてください。



2日前から耳介後方から痛みが出現し昨日から写真のような皮疹が出現した70代女性です。帯状疱疹を想起したのですが領域がC2,3と三叉神経領域にかかっているようにみえました。
隣接する3分節ととれるかもと思います。播種性の定義は満たさないようにも思ったのですが、迷いました。(他、体幹以下には皮疹はありませんでした)

対応するなら隔離もあるかもしれないと思い相談しました。
#既往は高血圧のみ#ピリピリする#当院皮膚科の常勤(-)

整形外科

画像的には帯状疱疹だと思います。僕なら接触及び空気感染対策を考えますね。耳周りなのでラムゼイハント症候群に注意します。

産婦人科

画像を拝見した所、帯状疱疹の診断で間違いないと思います。

3分節にまたがってはいますが、体に汎発疹が出ていないのなら空気感染のリスクは高くないので、入院して治療を行う必要はとりあえずはないと思います。

ただ、口腔内に水疱があったら、そこからのウイルスが空気飛散する可能性があるので、入院して治療を行ったほうが良いです。

それと、多枝に渡るものは免疫抑制がかかっている基礎疾患があるかもしれないので、入院しての治療が出来るならば、その方が安心かもしれません。

皮膚科

この辺りの帯状疱疹は眼部帯状疱疹を合併していないか、Ramsay Hunt syndromeを合併していないか、がポイントです。[→詳しくは下記ポイントレクチャーへ]

救急

Dr. Tsutsumiの “ポイントレクチャー”

頭頚部に帯状疱疹を認めた場合考えるべきことは何なのでしょうか。
ここでは帯状疱疹に関して病態生理と背景疾患、臨床像に加え、播種性帯状疱疹、頭頚部領域での注意すべき合併症、治療薬の選択、疼痛感染管理について解説します。

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター 堤 健、若竹 春明

1. 帯状疱疹の診断

1.1 病態生理と背景疾患

 水痘帯状疱疹ウイルス(Varicella-zoster virus:以下、VZV)は、初感染の際に水痘 varicella (=chickenpox)を発症し、その後、複数の知覚神経節(後根神経節や脳神経節(1))に生涯潜伏感染します(2)。この潜伏感染しているVZVが、何らかのきっかけで再活性化され、感覚神経を沿ってデルマトームに広がる疾患が、帯状疱疹 herpes zoster(=shingles)です(2)

帯状疱疹は全年齢で起こりうりますが(3)、加齢により初感染から時間が経過して、VZVに対する免疫(主にT細胞性免疫)が低下することで発症するため、年齢が主なリスクとされています。同様に、T細胞性免疫が低下する臓器移植・造血幹細胞移植、リンパ腫、白血病、HIVといった疾患に罹患していることや、化学療法・長期ステロイド使用(4)、TNFα阻害薬(5)は、帯状疱疹の発症と重症化のリスクであると言われています(1,2,6)

従って、帯状疱疹を診療する際には、免疫不全の原因となりうる基礎疾患や内服薬の把握が非常に重要です。その際に、漠然と免疫不全の認識をするだけでなく、液性免疫不全なのか細胞性免疫不全なのかを成書(7)を参考に判断するとよいでしょう。逆に、若年者の帯状疱疹を見た場合には、一度、HIVや自己免疫疾患など免疫不全を来す背景疾患が隠れていないか考える必要があります。

1.2 臨床像

 VZV の再活性化後に、神経節や神経にそって炎症が起こるため、約70-80%の患者には、皮疹に先行して疼痛が出現すると言われており、疼痛の出現から1週間以上たってから、皮疹が出現することも稀ではなく、診断に難渋することがあります(1)

疾患概念として、皮疹の出現しない帯状疱疹(非発疹性帯状疱疹zoster sine herpete)がありますが、診断は困難を極めます。また、疼痛よりも掻痒感が全面に出ることもあり、注意が必要です(1)

 典型的皮疹は、皮膚科学の成書を参考にしてほしいですが、一般に一定の神経支配領域に一致した領域に出現する浮腫性紅斑が特徴で、続いて小丘疹、小水疱の集簇に変化します(8)。とは言え、発赤程度のこともあり皮疹の鑑別に悩むことも多く、初学者にとって、一番の決め手となるのは、

  1. 痛みや掻痒感の先行
  2. 皮疹の特徴的分布

だと、筆者らは考えます。特に免疫正常な患者において、帯状疱疹の皮疹は片側性で正中を超えず、デルマトームの一分節に限定した分布が典型的ですが、末梢神経の分布の正常変異のために、隣接するデルマトームに広がることもあります(1)

ただし、オーバートリアージという意味では、隣接したデルマトームの病変を認めた場合は、免疫不全がある可能性を意識すべきと、筆者らは考えます。すべての皮膚で起こる可能性があります(9)が、胸部と腰部の皮膚が最も典型的です(3)

従って、こうした分布に一致しない皮疹を見た場合には、他の疾患(単純ヘルペス(再発性帯状疱疹様単純疱疹)、接触性皮膚炎(1)、コクサッキーウイルス(3))や播種性帯状疱疹を考える必要があります。

1.3 播種性帯状疱疹 disseminated herpes zosterの診断

 播種性帯状疱疹 disseminated herpes zoster(汎発性帯状疱疹とほぼ同義語)とは、原発とその隣接デルマトーム以外で、20個以上の小水疱を認める状態と定義されます(10)

典型的には、帯状疱疹の皮疹の出現後数日してから、全身に小水疱が出現するもので、日本の皮膚科の成書では汎発性帯状疱疹と記載されています(8)。これは、免疫不全の結果、ウイルス血症に起因した遠隔病変起こしていると考えられており(1,10)、10%に臓器障害(肺・肝臓・脳)を合併します(10)。発症率自体は稀ではありますが(1)、臓器障害を起こすと死亡率5-15%という報告(11)があり、早期治療が望まれます。

一般的には重度の免疫不全患者に起こると考えられていますが、免疫正常者で発症したという報告(12)もあるため、注意が必要です。

1.4 合併症

最も重要なのは眼部帯状疱疹 herpes zoster ophthalmicusです。視力障害が残る(最悪、失明する)可能性があるため、三叉神経領域(第1枝)の病変を認める場合や視力障害が見られた場合は、可及的速やかな眼科へのコンサルテーションが必須です(2,3)

眼科では、ステロイド点眼や散瞳薬、緑内障治療薬などが考慮されます(2)。鼻背部の病変があれば、高率に眼合併症を伴う(Hutchinson徴候)と言われています(3,8)が、鼻背部の病変がなくても眼病変がないことは保証できないため(3)、やはり眼科コンサルテーションが必要です。

次に、耳痛、外耳道の水疱と疼痛、同側の末梢性顔面神経麻痺、舌の感覚低下、内耳障害(難聴、めまい)を認める場合、Ramsay Hunt症候群を考慮する必要があります(2,3,8,13)。頸部領域の方針に合併したという報告(14)もあり、頸部より上の帯状疱疹では注意が必要です。本症候群の治療のエビデンスは確立されていないものの、抗ウイルス治療に加えて、ステロイド、顔面神経減荷術といった治療選択肢があるため、耳鼻科コンサルテーションが必要です。

その他、無菌性髄膜炎・脳炎・脳卒中・横断性脊髄炎・運動ニューロパチーといった神経合併症があり(2)、脳神経領域の病変・播種性帯状疱疹がリスクとされています(1)。また、仙骨神経根障害によって尿閉を来すElseberg症候群も稀ではありますが、注意が必要です(15)(16)。帯状疱疹の患者では、正確な神経学的所見を取って必要であれば専門家へのコンサルテーションが必要となります。

2. 帯状疱疹の治療と感染管理

2.1 治療適応と薬剤の選択

 治療の目的は、免疫正常者では疼痛の緩和であり、免疫不全者と合併症患者においては、ウイルスの複製を止めることにあります(13)

 抗ウイルス薬の適応として、表1を示します。しかし、抗ウイルス薬は病変の改善を早め、新規病変の出現を減少させ、急性期の疼痛を減少させることが複数のランダム化比較試験(以下、RCT)で示されいます(1,2)

表1 抗ウイルス薬の適応

A)     50歳以上

B)     中等度以上の疼痛

C)    重度の皮疹

D)    顔面と眼の病変

E)     その他の合併症

F)     免疫不全患者

参考文献(2)より、引用

従って、表1に該当しない患者であっても、抗ウイルス薬自体の忍容性が高い(6,17)と言われており、下記副作用の予防に努めながら、積極的に使用していくべきと、筆者らは考えます。特に上記RCTが皮疹の発症から72時間以内の患者を対象とした研究であることから、特に発症72時間以内であれば積極的に治療すべきと言われています。発症72時間以降の場合のエビデンスは乏しいですが、専門家は新規病変が認められるか合併症がある場合は、ウイルスの増殖が72時間以降であっても抗ウイルス薬での治療を推奨しています(2)

治療期間は合併症がなければ、7日間とされています(2)が、エビデンスは乏しいものの、免疫不全の場合や7日間治療後も合併症が残存する場合には治療期間の延長を検討すべきとされていて(1,13)、治療終了の一つの目安として、病変が痂皮化したあとの抗ウイルス薬の有効性は乏しいと言われているため(6)、すべての病変が痂皮化するまで(13)、7-14日間(18)という基準が示されています。

急性網膜壊死を合併した場合には、経口への切り替えを含めて6-8週間の治療を推奨されることもあります(1)。静注治療の適応としては、表2が挙げられます。免疫不全患者における経口治療に関するデータは限られていることや、静注治療で病変のコントロールが得られた場合に経口への変更ができることから(1)、初期治療として積極的に静注治療を検討すべき、と考えます。

表2 静注治療の適応
  • 1つ以上のデルマトーム、三叉神経領域、播種性帯状疱疹の場合(7,18)
  • 重度の免疫不全(特に、同種造血幹細胞移植患者、幹細胞移植かつ中等度以上のGVHD患者、積極的な抗拒絶反応療法中の移植患者)(1)
  • 合併症(眼、耳、神経合併症、肺臓炎、肝炎、膵炎など)(1)

文献1,13を参考に筆者作成

 日本における抗ウイルス薬の内服薬の選択肢として、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルがあり、いずれもRCTにて有効性が証明されています(2)。その中でも、バラシクロビルとファムシクロビルは、アシクロビルと比べて高価ではあるものの、皮膚の治癒期間、新規病変抑制効果(19)、疼痛緩和(20)において優れているという報告があり、内服の回数も少なく、忍容性と安全性についてはいずれも問題ないため(2)、筆者らはこれらを第一選択として使用しています。

 静注薬の選択肢としては、アシクロビルのみです。ビダラビン(アラセナ-A®)という静注薬がありますが、有効性・副作用・溶解液の点からアシクロビル以上の有効性にかける(21)ため、海外の文献からは選択肢として削除されており、日本においても第一選択としての使用は推奨できません。また、同薬剤の軟膏薬も存在していますが、その有効性は明らかでなく、単剤での使用は控えるべきです。

 静注でのアシクロビルは、結晶化による尿細管障害を避けるために、事前の補液(尿量75ml/時間を維持)や投与時間を1−2時間に延ばすことが重要で、特に腎機能が低下している患者では注意が必要です(22,23)。また肥満患者(例えば、BMI >30)では、相対的に過剰投与となり、腎障害が起こりやすい(24)ため、実体重ではなく理想体重ideal body weightでの計算が必要です(25)。また、アシクロビルでは腎障害がある場合に血中濃度が上昇し、振戦・ミオクローヌス・せん妄・意識障害といった中枢神経系症状を来すことがあり(26)、重症の場合は透析が必要になることを知っておく必要があります。

2.2 支持療法と疼痛管理

2.2.1 局所治療

帯状疱疹の皮疹には、細菌の二次感染が起こりやすいため、診察時には常に合併がないかを評価し、合併している場合は、グラム陽性球菌(ブドウ球菌、連鎖球菌など)の蜂窩織炎として治療します(2)

二次感染の予防として、皮疹は清潔で乾燥した状態を保つことが重要で、抗菌薬の外用や粘着性の保護剤は刺激になり、治癒を遅延させるため、使用を控えるべきです(1)。NSAIDs外用や抗ウイルス薬の外用の有効性は乏しいと言えます(27)。リドカインパッチは疼痛を軽減することが示されていますが(28)、日本では帯状疱疹の治療として保険適応がない点と、皮疹には貼ってはいけないという点に注意が必要です(2,13)

2.2.2 ステロイド

 ステロイドの併用については、議論があります。長期的な疼痛に対する効果はないものの、急性期の症状の緩和に効果が示されています(29,30)。しかし、これらの研究では、ステロイド使用のリスクが高い患者(高血圧、糖尿病、消化性潰瘍、骨粗鬆症)は除外されていることや、短期間のステロイド使用での有害性が示唆されている(31)ことから、特に高齢者に於いて安易な使用は避けるべきで、ステロイドのリスクがなく、発症時の疼痛が非常に強い場合に限定されるべきでしょう(13)

使用する場合、免疫抑制効果があるためステロイド単剤での使用はせず、必ず抗ウイルス薬と併用します。また、Ramsay Hunt症候群、Bell麻痺、脳血管障害といった脳神経症状にも、ステロイドが考慮されます(1,2)

プレドニン 60mg/日 7日間→30mg/日 7日間→15mg/日 7日間 で終了

2.2.3 疼痛コントロール

 帯状疱疹の治療の中で、疼痛コントロールは患者にとって非常に重要であることを忘れてはなりません。NSAIDsやアセトアミノフェンは軽度の疼痛への使用が推奨されていますが(1,2)、神経原性疼痛には効果がないため、使用は控えるべきとする報告(13)もあります。

 したがって、これらの薬剤が無効な場合は、速やかにコデインやトラマドールといった弱オピオイドを併用していきます。睡眠障害を起こすほど痛みが強い場合には、オキシコドンやモルヒネといった強オピオイドが推奨されます(1)。その際に、頓用使用ではなく、定期投与して鎮痛レベルを保つことが重要です(1,6)
それでもコントロールが付かない場合には、オピオイドに併用して、

  1. ガバペンチン(保険適応外)or プレガバリン(リリカ®)
  2. 三環系抗うつ薬(注)
  3. ステロイド(上述)

のいずれかを検討します(1,13)。これらの薬物治療でコントロールできない場合には、神経ブロックの検討も含めてペインクリニックに相談が必要です。

注:特にノルトリプチリンが推奨されている(1,2)が、日本で適応が通っているのは、アミトリプチリン:(トリプタノール®)です。神経障害性疼痛の治療として、エビデンスがあるのはアミトリプチリンですが、重篤な副作用のため、高齢者には推奨できません。帯状疱疹後神経痛(以下、PHN)において、ノルトリプチリンは、アミトリプチリンと鎮痛効果は同等で、忍容性が高いことが示されているため、推奨されています(1)

2.3 感染管理

 帯状疱疹は、水痘に比べると感染力は低いですが、ウイルス学的には、VZVは空気感染を引き起こすウイルスであり(32)、ワクチンを受けていない人や罹患歴のない人が接触すれば、10%以上の確率で感染するともいわれます(7)

さらに免疫不全患者は健常人の約10倍罹患しやすく、帯状疱疹の患者から水痘を発症してアウトブレイクが起こることがあるため、注意が必要です(13)。したがって、CDCガイドライン(32)では、免疫正常者でかつ被覆可能な限局した病変の場合にのみ、標準予防策としており、それ以外(*注2)の場合には、すべての病変が痂皮化するまで空気感染対策+接触感染対策を推奨しています。

限局した病変であっても、空気感染を起こした報告があり(33)、免疫不全患者や免疫のない医療従事者から可能な限り隔離することが重要です。外来管理をする場合には、水痘に対する免疫がない人や免疫不全患者、妊婦との接触を避けるべきです。

 病変を覆うことが重要で、顔面は被覆できないことが多く、空気感染として考える必要があります。三叉神経第2・第3枝領域は口腔内・舌の病変が出現する(3)ため、口腔内も観察することが重要で、粘膜病変が認められる場合にも空気感染対策が重要となってきます(34)

 *注2 播種性帯状疱疹の全患者(35)、免疫不全患者の限局性病変は播種性が除外できるまで

3. 帯状疱疹の予防と患者説明

3.1 帯状疱疹後神経痛の説明

 帯状疱疹の患者に対して、必ず説明が必要なのが帯状疱疹後神経痛postherpetic neuralgia; 以下PHN)のリスクです。PHNは、帯状疱疹の「皮疹の出現後90日以降も持続うる疼痛」と定義されていて、VZVによる末梢神経への反応の直接的な後遺症と考えられています(13)

その痛みは激しい場合も多く、高齢・皮疹の重症度・急性期の疼痛の強さ・免疫不全などがリスク因子となります。6ヶ月以内に自然消失することも多いですが、数年以上続くこともあり、生涯の治療が必要な場合もあります(13)。したがって、痛みが持続する場合には、再診するように指導が必要です。発症率は若年者では高くはありませんが、50歳以上では25-50%に発症すると言われています(3)

 本疾患は、患者のQOLを下げる恐れのある非常に重篤な合併症という認識が必要になります。PHNには根治的治療がなく対症療法のみとなり、治療に難渋することもあるため、帯状疱疹の治療では、PHN発症リスクを下げることが重要です。

現時点で有効と考えられているのは、

  1. 早期からの適切な抗ウイルス治療(投与量・治療期間)
  2. 早期からの疼痛コントロール
  3. 帯状疱疹ワクチンの事前接種

のみであり、とにかく以下に述べるワクチンによる予防と、早期診断・早期治療が重要な疾患であるといえます。PHNの治療に関しては、初期治療に難渋することも多く、ペインクリニックへのコンサルテーションの検討が重要です。

3.2 帯状疱疹ワクチン

日本でも、2016年より水痘ワクチンの帯状疱疹予防での接種が追加承認されました。帯状疱疹の既往にある高齢者に接種しても副作用は増加しないため、50歳以上での積極的な接種が望まれます(13)。ワクチンの効果は少なくとも5年持続し、帯状疱疹を発症しても疼痛を軽減し、罹病期間を短縮し、PHNの発症率を減らすことが示されており、非常に有効な予防と言えます。

ただし、弱毒化生ワクチンであるため、免疫不全患者では禁忌であるに注意が必要です(13)

謝辞

本論考の作成にあたり、筑波大学附属病院 皮膚科 医員 岩本和真先生にご助言頂きました。この場を借りて、お礼申し上げます。

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4. 参考文献

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