2018/09/22

骨折、解剖、術後リハビリで役立つ教材〜整形外科医が使うおすすめアプリ〜

 

この記事を書いている人 - WRITER -
中山 俊(なかやま しゅん)
    ■■アンター株式会社 代表取締役/翠明会山王病院 整形外科医師
    ■■略歴:鹿児島県出身。鹿児島大学医学部を卒業後、東京医療センターで初期研修。2015年より翠明会山王病院整形外科現職。
    ■■2016年アンター株式会社を創業し、医療現場の医師が相互に助け合う、実名制の医師同士の相談サービス「Antaa QA」を運営している。
    ■■Antaa FBページAntaa Members(FBグループ)Antaa HP

整形外科の勉強を進めていく上では体系的な書籍がなかなかありません。どのように学んでいけばよいのでしょうか。

この記事は、現場で働く医師同士が相談しあうiOSアプリ “AntaaQA” で実際に行われたやりとりの中から初期研修医におすすめの選りすぐりの内容を、ご紹介します!

整形外科, 術後リハビリ.どう勉強するか.

整形外科, 術後後療法こうりょうほう(リハビリ)について勉強したいです。

最近、各骨折の診断や分類、治療方針を決める上で重要な点を学ぶことに終始してしまい、伸び悩みを感じています。

術後から退院までの具体的な判断材料や安静度のイメージがないので、患者や看護師から安静度を聞かれても、なかなか上手く指示ができません。術後の病棟患者の見方を改善するには、後療法の知識が必要だと思いました。

何かオススメの教材やソースはありますでしょうか。

初期研修医1年目

術後後療法こうりょうほうは、骨折の型や手術方法で全然変わってくるので難しいですよね。

英語ですが、AOが出しているアプリ(iOSアンドロイドにそれぞれの骨折型・手術方法・後療法まで載っています。いつもこれを参考にしてます。

これの書籍版は日本語ですが、結構高価です。。整形外科医になった時に買いましたが^_^;

中山 俊

AOSR(AO Surgery Reference)無料なのでいいですよね。

ちょっとマニアックな本ですが「骨折プレート治療マイスター」「骨折 髄内固定治療マイスター」にも各骨折の治療治療ごとの後療法が記載されています。もし上級医や病棟に本があれば参考にしてみてくださいっ!

整形外科

Dr. Nakayamaの “ポイントレクチャー”

ここでは整形外科の勉強をする上で大切な診察項目(特に圧痛の有無)、解剖学で使用する解剖書(プロメテウス)、整形外科後期研修医が使用するAOSRアプリについて解説します。

Antaa代表医療法人社団翠明会山王病院 整形外科 中山 俊 

1. 国家試験のわずか1.8%の整形外科

骨折診療が得意だ!といえるプライマリ・ケア医や内科の先生は少ないのではないでしょうか?

国家試験でも整形外科の出題は、1.8%(9問/500問 2017年)しかなく、整形外科疾患に対して充分な知識を持って診療に当たることは困難だと思います。

私自身、医師3年目で整形外科医と名乗った際、あまりにも知識がなく苦労しました。

2. 骨折を疑う整形外科診察で大切なこと

骨折は疾患の種類も多く、骨折の型によって治療法も大きく異なります。レントゲンだけを見ていると骨折があるのかどうか、また骨折の線なのか判別が難しい場合があります。

骨折を診療する際に大事なことは、

  1. 受傷起点
  2. 圧痛の有無
  3. 荷重可能かどうか

です。

特に②圧痛の有無は重要です。

腹部の診察などと同じように、圧痛部位を確認してから画像を見ると良いです。体表から触れる骨は「一体どの骨のどのあたりなのだろう?」と考えながら触れてください。

3. 解剖を学ぶことが近道

体表から触れている部位と骨のイメージが相関しないときは、ぜひ解剖学の本を開いてください。ネッター解剖学アトラス(南江堂)プロメテウス解剖学アトラス(医学書院)などがありますが、若手整形外科医はプロメテウス率が高いように思います。ちなみにググってインターネット上の画像から解剖を確認しても充分な情報が得られます。

 4. 整形外科医が使うツール

圧痛部位とレントゲンの画像が一致したら、骨折の型を確認します。

ここからが今回の質問の答えですね。この質問に対しての答えは、これをおすすめします。

◎AOSR(AO Surgery Reference)iOSアプリアンドロイド版Web版(無料・英語のみ)

AOはスイス発の骨折治療研究グループです。(AOは英語読みの”エーオー”でも、ドイツ語読みの”ア−オー”でも大丈夫です)AOは外傷・骨折治療のバイブルとも言われ、世界中で広く学ばれています。

そのAOが出しているAOSR(AO Surgery Reference)は、骨折の骨ごとの分類・診断・治療・手術適応・術後のリハビリまですべてが解説してあります。

レントゲンと見比べながら骨折の分類を判断し、アプリを進めていきます。すると、この骨折が手術が必要なのかどうか、手術後にどのようなリハビリが必要なのか、その期間はどのくらいかまで記載されています。

整形外科医へコンサルする際も、「足関節骨折です」に加え「AO分類の44(よんよん)-A1の骨折です」と説明すれば、非常にスムーズに情報が伝わります。

『AO法骨折治療』(医学書院)という書籍もあります。こちらは約40000円と高価ですが、日本語に翻訳されています。手術手技を詳しく記載してあるため整形外科医には必携ですが、整形外科医以外の方はAOSRアプリで充分だと思います。2018年1月に分類が改訂されています。ご注意ください。

 5. まとめ

医師国家試験では骨折の病名は学びますが、その診断方法や治療方法に関しては学ぶことは少ないです。出会った症例ごとにしっかり疼痛部位に触れて診察し、解剖をイメージし、画像を診て、AOSRアプリで調べることで充分な知識と経験が得られると思います。

記事で疑問は解決できたでしょうか?

AntaaQAは医師専用のオンライン相談アプリです。
現場で患者さんの診断治療に困った場合は、AntaaQAで他の医師に相談してみませんか。

みんなで一緒に患者さんの診断治療に取り組みましょう。

また、現場により良い知識が届くように、記事を改善しつづけていきたいと考えています。最新論文の追加や加筆修正により、より質を高められる点がありましたら、ぜひAntaa編集部までご一報ください。

この記事を書いている人 - WRITER -
中山 俊(なかやま しゅん)
    ■■アンター株式会社 代表取締役/翠明会山王病院 整形外科医師
    ■■略歴:鹿児島県出身。鹿児島大学医学部を卒業後、東京医療センターで初期研修。2015年より翠明会山王病院整形外科現職。
    ■■2016年アンター株式会社を創業し、医療現場の医師が相互に助け合う、実名制の医師同士の相談サービス「Antaa QA」を運営している。
    ■■Antaa FBページAntaa Members(FBグループ)Antaa HP
 

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